矯正治療の豆知識

矯正治療の豆知識

金属アレルギー(2)

金属アレルギーという定義は、金属という、通常だと人体に対し影響のない無機物が原因(侵入者)となって人間の免疫機構を回してしまい、赤みやかゆみ、湿疹、かぶれなどのアレルギー反応を引き起こしてしまうことだが、この金属が歯の詰め物・かぶせ物、あるいは矯正治療などの歯科治療に使われる金属だと『歯科金属アレルギー』とな ります。今回は歯科金属アレルギーの第1人者と言われる高(こう)永和先生のお話しを聞いてきました。

歯科金属アレルギーと鑑別(医師が診断で見分ける必要がある他の病気)されるものに、全身症状が出るものとして、①アトピー性皮膚炎、②掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、③湿疹、④乾癬、⑤ニキビ等があります。また、口腔内症状のものとしては、⑥口内炎、⑦扁平苔癬、などが挙げられます。

                          (上の写真から、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、乾癬、歯科金属アレルギー ―ムム。。これは皮膚科の先生でないと判断できませんね! )

医師(または歯科医師)の診断のめやすとして、             ア)皮膚科・アレルギー科医師の治療によっても1カ月以上改善がない。イ)金属パッチテスト陽性反応の出た金属を除去して1年以内に改善。ウ)その後、ステロイド投与がなくても1年以上発症していない。     以上3点が必須条件とのことです。

矯正治療で使用する金属の中で、金属アレルギーの原因となる元素は、ニッケルが圧倒的に多いです。次いで、コバルト、マンガンです。

ニッケルについては、いくつか興味深いことが判ってきています。たとえば、食べ物との交叉反応というものについて、キウイやモモ等、果物とゴムアレルギーに関連があることは以前お話し致しました。きな粉やチョコレートにはニッケルが含まれており、交叉反応が見られます。また、最近よく耳にするPM2.5やタバコの煙にも交叉反応があるとの報告があります。

既往歴としては、アトピー性皮膚炎のある子どもさんが、矯正治療により装置の金属が原因でアレルギーが出現することがあります。過去に矯正治療をした経験のある成人が後に金属アレルギーを発症することがある、とのことです。何か思い当たるフシのある方は、医師や看護師による問診の際に挙げておかれることをお勧めします。

Site Map

- 大人と子どものための歯科矯正スタジオ -
医療法人社団 かわばた矯正歯科

兵庫県尼崎市潮江1-4-3 シティハイツ 尼崎駅前1F
TEL : 06-4960-2233 FAX : 06-4960-2234

当院のInstagramはこちら