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Posted by staff on 2019.05.14
新学期が始まって、新しい友達も増えて、気候も良くなり外で活発に遊ぶことが多くなってきたのではないでしょうか。
こんなこと起きないに越したことはありませんせんが、転んだりして歯が折れてしまったときの対処方法を調べました。
基本的な対応として、歯が抜けたり、根元近くから欠けたりした場合は、「歯牙保存液」または「生理食塩水」、「牛乳」に浸漬します。
緊急対応としては、最も日常的に身近にあるものとして「牛乳」が良いと思われます。牛乳がないときは、患者の舌下部に静かに置いて、来院してもらいます。
牛乳につける理由としては、浸透圧だけでなく、pHも体液に近似しているからです。
歯科的には、「歯牙保存液」(ティースキーパー「ネオ」)が最も推奨されます。小学校や中学校の保健室に常備されているところもあるようです。
牛乳の温度は常温が望まれますが、脱落歯に付着した微生物の繁殖を抑制するため、気温が高い場合は、保冷剤などで冷やした状態が良いと考えます。
そして時間は、30分以内に治療をすることが望まれます。衛生上というよりも、早ければ早いほど再植できる可能性が高まります。歯根膜(歯を支えている骨と、歯根の間にある薄い膜)の状態によりますが、統計的には60分くらいまでですと予後がいいようです。
これ方法以外でのポイントは脱落歯の歯根膜を乾燥させないこと。再植までの所用時間です。
ただし、牛乳に浸けているからOKということ全くありません。歯根膜のダメージの程度で予後が左右されます。
脱落歯の根が破折してしまった場合、特にタテに割れたときは再植できません。また、歯根膜の乾燥や、感染がある場合は必ずその歯根膜を除去しなければならないため、再植しても正常な経過をたどらず、骨性癒着や歯根の吸収を起こす可能性が高くなります。
要点をまとめると…
1.歯根にはできるだけ触らない。
2.水では洗わない(浸透圧の関係で歯や歯根膜の細胞が傷害されてしまう)。
3.決して消毒薬などには浸けない(歯や歯根膜の細胞が死んでしまう)。
4.砂など汚れがついていても、そのまま保存液や牛乳などに浸ける。
5.根元からきれいに抜けたのではなく、歯が欠けた場合でも、かけらが大きければ使える場合もあるため、欠けた歯も保存液や牛乳などに浸けて持って行く。
6.牛乳もない場合、口腔内の舌下部で保持する。またはビニール袋にそのまま入れるか、手のひらでやさしく持って、歯科医院へ急いで受診。歯が乾燥してしまうので、ティッシュペーパーにはくるまない。
歯の再植の鍵となる歯根膜は乾燥に弱く、保存液や牛乳などに浸けてない場合での生存は30分が限界とされている。できるだけ早く処置を行うことが、再植成功の条件。
とのことです。
当医院でも年に数回、電話がかかってきます。身近で起きた時は是非この対処方法で救ってあげて下さい。